のいない世界




ここは土煙舞う戦場。

弾薬の雨が降り、血の河が流れる地獄。
振り向けば、斃れた人々と崩れる瓦礫。




「・・・神なんて、いない。」




いつからこの土地はこんな風になってしまったのだろう。
同じ星に住む者同士のはずじゃないか。
同じ血を分け合った民同士のはずじゃないか。




「・・・神なんて、いない。」




巻き起こる爆風。
気を抜くと背後から死神に攫われてしまいそうだ。




「・・・・おかしいな。神はいないはずなのに。」



なぜ死神は傍にいるのだ?